自然史博物館の主な3つの役割
1.自然史標本の収集・整理・保管
2.自然史標本に基づく、自然史科学の研究
3.研究成果を活用した展示・教育・普及
イギリス、フランス、アメリカなど欧米各国には、国立の自然史博物館が存在しており、自然史科学の国際研究拠点となっています。
しかし、日本を含めたアジアには、そのような拠点がなく、自然史科学研究が遅れています。自然史科学研究の成果は、気候変動や災害メカニズムの解明、新たな資源の発見、生物の形態を応用した技術(バイオミメティクス)など、人類の存続・発展のために多大な貢献を果たします。
日本には国立の博物館がありますが、ほとんどは歴史、芸術、民族などに関するものです。
東京には国立科学博物館がありますが、自然史・理工学を総合的に扱っています。自然史に特化し、欧米と同規模以上の研究体制が整った自然史博物館は、日本にはありません。
国立自然史博物館は、21世紀型自然史博物館として、ABSの国際ルールに則って、協調的に標本を収集します。また、最新の機器・手法により研究や分析が行われることで、多種多様な自然史情報がビックデータとして整備・活用され、今までにない研究・展示が可能となります。
自然史研究における日本の存在感を高め、「生物多様性国家戦略」を推進する拠点となります。
★自然史科学の人材育成拠点となって関連人材を輩出し、研究を加速し、地球環境の持続可能性の道を切り開きます。
★国内の自然史博物館には、標本収蔵庫・設備・職員の不足など、運営上の課題が山積していますが、課題解決の共通システムをつくり、全国の自然史博物館の負担軽減やレベルアップをお手伝いします。
★ビッグデータ自然史科学を創出することで、自然史情報をグローバルに共有して、バイオ技術をはじめとした産業革新に貢献します。
アジアの自然史科学の拠点「国立自然史博物館構想」とは?
1.自然史科学大学院
「博物館を持つ研究・教育施設」として大学院を併設し、
将来を担う人材を育成します。
2.「ネットワーク型」博物館
国内外の多数のフィールドステーションをつなぎます。
3.ビッグデータ自然史科学
人工知能(AI)を駆使して膨大な自然史科学データの
解析・統合・利用を促進します。